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本当は怖い情報科学

情報系大学院生の趣味&実益ブログ。

Boeing787が、いよいよ生産開始へ。ところで、世界3位のスパコンが設計に活用されているのです。

HPC

ボーイング787が、超難関・米連邦政府の承認を獲得! - WIRED BUSINESS

いよいよですね。全日本空輸がローンチカスタマーとなっていることでも有名で、盛んに宣伝されているので、航空機ファンでなくてもご存じの方が多いかもしれません。

ところで、このBoeing787は、世界第3位(米国最速)のスパコンを活用して設計されたそうです。企業(特に製造業系)のスパコン利用に関するニュースはあまり表には出てきませんので、貴重なニュースです。

Jaguarは、スパコン性能ランキングであるTop500の2011年6月ランキングで3位にランクされている、米国最速のスパコンです。20万以上のAMD CPUコアからなり、2PFlops以上のピーク性能を持っています。

Boeing787の開発にあたって、このJaguarが利用されたことが下記のサイトに述べられていました。

Cray Supercomputers Play Key Role in Designing Boeing 787 Dreamliner 800,000 Simulation Hours Helped Create Design For Highly Successful Commercial Aircraft

Boeing Uses Jaguar to Validate Aircraft Modeling Applications



10000コア程度を使うシミュレーションを多数並列で走らせ、最大では全体の半分程度がBoeingのジョブであったということですから、最大でピーク性能1PFlops程度の計算を行っていたということですね。数千回に及ぶ離着陸時のシミュレーションが行われ、空力計算プログラムの検証と改良が行われたそうです。そして、ここで生み出されたコードと積み重ねられた知見が次世代のBoeing機の設計に大いに役立てられるであろうと。

ちなみに、Jaguarは、来年度に更新が行われ、20PFlops(京コンピュータの約2倍)の性能を持つ大規模GPUスパコン「Titan」に生まれ変わる予定であり、現在は利用の最終ステージにあります。おそらく、それが民間企業による大規模利用を可能にした背景かと思われます。

これから、このような大規模製造業におけるHPCの活用も進んでくると思いますし、HPCエンジニアの需要も増えてくることは確実ですね。ウシシ。

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