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本当は怖い情報科学

情報系大学院生の趣味&実益ブログ。

ネットをご覧の各位におかれましては、最近の若者の心配をするより、日経の就職ランキングを心配すべき

就職ランキングそのものは正直どうでもいいのだが。

結論を先に書くと

  • 日経の調査結果を見て「最近の若者はおかしい」という前に、「日経がおかしい」可能性を考慮すべきである。
  • 「当時の上位にはサントリーとか、ソニーとか、物産・商事とか、日航全日空とか、JTBとか…、けっこう就職後の「夢」を感じさせる企業が名を連ねていたように記憶しています。」→今もそうだから余計な心配しなさんな

ということである

「就活人気企業ベスト10」がすべて金融機関って、日本は大丈夫かぁ? という記事が話題となっていた。日経の調査によれば、就職人気企業の上位10社を全て金融系が独占したという。このデータを踏まえて、このブログ記事では

昨年12月から今年1月にかけての調査とのことなので、衆院の解散→総選挙→自民党政権に移ってアベノミクス実態はないながらも効果を発揮し始め、民主党政権時代よりは少しは先行きが明るく感じられ始めたであろう時期の調査なのですが、学生は依然として先行き不安で安定志向であるということなのでしょうか。

確かにここ2〜3年は長引く不況下の安定志向もあって、就活における金融機関人気は高まってはいたものの、トップ10がすべて金融機関と言うのは、恐らく史上初でしょう。金融機関志望が悪いとは申しませんが、考えようによってはあまりに「夢」がなさすぎる気もしてきます。元金融機関勤務の私が言うのもなんなのですが、「夢」のなさを儚んで銀行を「イチ抜け」した身からすれば、学生の皆さんは金融機関に入って一体何を望んでいるのだろうか、などと思ったりもするわけです。

という感想が述べられている。しかし、いくらなんでも上位10社全部が金融系なんてことがあるのか?と思ったので、少し調べてみた。

該当の日経新聞別刷を持っていないのだが、検索すると日経就職Navi人気企業ランキング というのが見つかった。冒頭の調査より1年前の2012年の調査である。この調査では、1位〜9位までをすべて金融系が占めており、傾向はほぼ同じである。ここでは、これを2013年版を代替として考えてみる(→補足(1)参照)。

就職人気ランキングは他にも存在する。インターネットを検索した範囲で私が発見したのは、以下のものだ。

サイト名(もしくは調査主体) 年度 調査人数 URL
日経就職Navi 2012 8,524 URL
ダイヤモンド就活Navi 2012 7,038 URL
学情ナビ 2013 8,068 URL
楽天みんなの就職活動日記 2013 6,289 URL
マイナビ朝日新聞掲載) 2013 16,451 URL

それぞれのサイトを見ていただければわかるのだが、日経による調査では、上位10位以内に金融が多い。今年だけでなく、例年である。異常と言ってもよい。サイトにより、文理・男女別のランキングしか見れないサイト、合算のランキングしか見れないサイト、両方とも見れるサイトがあり直接的な比較が難しいが、グラフにしてみた(→補足(2)参照)。関係ないが、調査をされる就活サイトにおかれては、男女別というのはそろそろ廃止した方が良いと思う。

日経の上位10位に占める金融系の多さが目を引く。そして、11位〜20位において0社というのも特徴的だ。

そして非常に面白いのが、もっとも調査が大規模であるマイナビの調査結果において、金融系の占める割合が最も小さくなっていることだ。文系・女子にいたっては0である。マイナビのサンプル数は約16,000と、日経の調査の倍近い。これ以上の事はわからないので予想でしかないのだが、最大手であるマイナビの調査の方がより幅広い学生層を取り込めているのではないだろうか。特に件の文系・女子においては、「Plan・Do・See」などの新興企業も入っており興味深い。

あと、リンク先サイトの中で述べられている

昨年12月から今年1月にかけての調査とのことなので、衆院の解散→総選挙→自民党政権に移ってアベノミクス実態はないながらも効果を発揮し始め、民主党政権時代よりは少しは先行きが明るく感じられ始めたであろう時期の調査なのですが、学生は依然として先行き不安で安定志向であるということなのでしょうか。

という点についてだが、政権交代が起こり短期的に何か良い展望らしきものが見えた段階でいきなり就職活動の動向が変化するほど若者は賢くはないし馬鹿でもないと思う。もう少し常識的に考えたらどうか。

こちらからは以上です。

補足(1)

本文中でも述べたが、20位までが掲載されているこの日経の調査には、若干不自然な点がある。1位から9位までが全て金融系であるにもかかわらず、10位〜20位までに金融系が1社も入っていない。具体的に欠けている会社としては、三井住友信託銀行明治安田生命保険などがある。おそらく、これは単に「日経就職Naviに出稿していない」からだろうと思われる。私は日経就職Naviに登録していないので正確なところはわからない。

補足(2)

日本郵政」を金融に含めるかどうかが微妙なのだが、ここでは除外した。

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